INTERVIEW

スマート葬儀

ビジネス的視点とコミュニケーション能力で、DXツールとしての最適解を導いてくれました。

ライフエンディングテクノロジーズ株式会社 - 白石さま

DIGITALJETの仕事は、簡単にお伝えすると「ウェブサイトやウェブサービス、アプリなどを開発すること」ですが、大切にしているのはゴールまでの「過程」にあります。できあがったモノだけでは伝わらないその「過程」をお伝えすべく、お客さまへのインタビュー記事をご紹介します。お客さまのビジョンに寄り添いながら、デザインとプログラミングの力を使って最適なゴールを探していく、それぞれのストーリーをお楽しみいただけるとうれしいです。

ライフエンディング業界にイノベーションを起こす

今回ご紹介させていただくお客様は、ライフエンディングテクノロジーズ株式会社。葬儀、お葬式のポータルサイト「やさしいお葬式」、オンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」など、ライフエンディング業界にテクノロジーを掛け合わせ、イノベーションを起こしている会社です

代表の白石さまに、弊社プログラマー真崎、古里からお話しをお伺いしました。

インタビュー風景 スクリーンショット

真崎:改めて、ライフエンディングテクノロジーズさんについて教えてください。

白石:弊社は、ライフエンディング市場にテクノロジーを用いて、業界をよりよいサイクルでまわしていくことをビジョンにサービスを提供しています。具体的に言うと、オンライン葬儀のシステム「スマート葬儀」、葬儀社向けの顧客管理システム「スマート葬儀CRM」、葬儀の提携先をご紹介したり、相続のことや海洋散骨、終活にまつわるご相談をしてもらえる「やさしいお葬式」というポータルサイトの運営も行っています。

真崎:サービスのウリは、どんなところですか?

白石:オンライン葬儀の仕組み自体は他社でもありますし、参列するだけだったらzoomでつないだのとあまり変わらない。だから、「スマート葬儀」では芳名帳や香典、供物などもすべて同システムで完結できるよう工夫しました。

真崎:会社自体は2019年につくられたんですよね。設立のきっかけはなんだったのですか?

白石:ライフエンディング業界は、デジテル化が遅れているのが課題です。業界の未来のためにもデジタル化を進めたいと思いました。その頃は、コロナ禍は想定していませんでしたが。

真崎:よくも悪くも、コロナ禍が追い風になったというわけですね。

コロナ禍での問題を、いち早く解決するためのスピード感

スマート葬儀

真崎:「スマート葬儀」のサービスリリースは2020年6月だったので、業界のなかでも早い方だったんじゃないですか。

白石:そうですね。リリースしたのが緊急事態宣言が終わったあとだったので、業界のなかでもかなり早かった方だと思います。少しでもタイミングが遅れると二番煎じ感が出てしまうので、6月リリースにはこだわりました。おかげさまで、たくさんのメディアに取り上げてもらいましたし、他社に比べて導入企業数も多く獲得できているはずです。

真崎:最初は顧客管理の仕組みから進めていたのですが、コロナ禍になって「スマート葬儀」を先にリリースすることにしたんですよね。

白石:県境を跨いで参列できない人も増えてくるだろうから、オンライン葬儀が主流になると読んで、先に「スマート葬儀」をつくることにしたんです。それが2020年5月。1ヶ月で制作してもらったので大変でしたよね。工数が足りないだろうなぁと思いながら、ムリヤリ「工数くださいっ!」って。

古里:リソースでいうと、たしかに厳しかったですが。弊社で「コロナ禍で困っている業界をできるだけサポートしよう」という方針を決めていたので、お受けすることにしたんです。白石さんは決断のスピード感があったので、ロスなく進めていくことができて、僕たちにとってもハッピーなお仕事でした。

真崎:白石さんがとにかくパワフルでやり手なので。次々といろんなアイディアが湧いてくる。だから、「6月はここまでリリースしましょう」と、やりたいことを分解して段階的にリリースしていきました。

「コロナ禍で参列できないと思っていたけれど、オンラインで参列できてよかった」などの声をたくさんいただいています

作業風景の写真

真崎:サービス利用された方からは、どんな声をもらってますか?

白石:「コロナ禍で参列できないと思っていたけれど、オンラインで参列できてよかった」などの声をたくさんいただいています。こじんまりと家族葬する予定だった喪主さんがいらっしゃったのですが、故人が現役の学校の先生で。オンライン葬儀にすると100人以上の生徒さんが参列してくれたり、コメントをくださって。喪主さんから、とっても喜んでいただきました。

真崎:すごくいい話ですね・・・!逆に「もっとこうしてほしい」などのご意見をもらうこともありますか?

白石:「使ってみて、この部分がわかりにくかった」とか、いろいろ声をいただいています。デジタル・リテラシーをどこに合わせていくかが、実は難しい問題ですよね。

真崎:そうですね。スマート葬儀は、デジタルに明るくない人もユーザーになるわけなので。そういった方々がどうやって触れるのかを、実際に使ってみた方から意見を吸い上げて、検証していかないといけないんですよね。

白石:リテラシー問題は難しいところで。葬儀場サイドからも、「FAXで送るために紙で出力できるようにしてほしい」という声はよくあがっているんです。そもそも、紙をなくすためにデジタル化しているはずなのですが、ずっと紙でやってきた業界です。たしかに戸惑いもありますよね。業界のイノベーションのためにこの仕組みを立ち上げたので、クライアントの言うことも鵜呑みにするのではなく、「本当に必要ですか?」「何件中どのぐらいそういう事例になれば、便利になりますか?」とか定量的に判断するようにしています。問題に向き合うことで、業界の収益構造を変えることにもつながってくるかもしれません。

古里:リテラシーだけではなく、個人情報の取り扱いに関しても、開発側とユーザー側に差異があるな、と思いました。エンジニアとしては、個人情報は極力出すべきではないと思っていますが、ユーザーはそうではないんですよね。

白石:喪主さんからすると、参列者の情報が分からないとお返しができないんですよね。やりとりをしたいから情報を知りたいという声も多くて。

真崎:それで、「ここまではいいだろう」「ここは隠そう」というラインをつくったんですよね。これもやってみないと分からない部分ですよね。弊社は、リリースして終わりではなくてその後の改善の方が得意なので。実際にやっていく中で気づいたことをさらにシステムに反映していって、ブラッシュアップしていけたらと思っています。

DIGITALJETのチームなら、最適解を出してくれるって思ったんです。

作業風景の写真

古里:弊社にご依頼くださったのは、どういう理由だったのですか?

白石:5〜6年前、真崎さんにシステム開発を依頼したことがあって。「優秀な方々だなぁ」と信頼していたので、頼むならこのチームに依頼したいと思っていました。ただ単にオペレーションに落とし込むこともできたのですがそれだけでは物足りない。DXツールとして、どういう仕組みにするのが最適なのか・・・DIGITALJETのチームなら、最適解を出してくれるって思ったんです。

真崎:光栄です。

白石:ビジネス的な理解が深いところ、コミュニケーション能力が高いところがありがたかったですね。いくら技術力があっても、クライアントがやりたいことをつくる能力とは別だと思うんです。「そういうのを作りたかったらこういう仕様の方がいいんじゃないですか?」とか、「データーベースは、こんな設計でどうですか?」とか、提案があるのがとても助かりました。

真崎:DIGITALJETは、モノをつくりあげるのがゴールではなく、クライアントさんとキャッチボールしながらサービスを一緒に育てていくスタイルでお仕事をしているので、融通が効かない会社さんとはお仕事はアンマッチになってしまうんです。白石さんは、アイディアをどんどん出しながら、こちらの提案に耳を傾けてくださったのでうれしかったです。

白石:無尽蔵に出てくるアイディアを整理してくださって、順序立ててくださったので助かりました。

葬儀業界全体の仕事を分解して、便利になる機能をどんどん足していきたい。

葬儀関連のイラスト

真崎:今後の展開はどんな感じに考えられているんですか?

白石:やりたいことは、大量にあります。DIGITALJETさんの空いている工数があれば、全部買い取りたいぐらいです(笑)顧客管理関係、互助会の管理、葬儀保険の管理などなど、葬儀業界全体の仕事を分解して、便利になる機能をどんどん足していきたいです。ゴールのイメージは決まっていて、完成形にたどり着くのには何年もかかりそうですが、年内にはある程度のかたちには仕上げていきたいと思っています。

真崎:毎週ミーティングして、毎週少しずつリリースしていくスタイルなので、「よっしゃ〜リリースしたぞ〜!」みたいな大きな波はないですが、ちょっとずつ進んでいる感じはありますね。

白石:ライフエンディング業界はデジタル化したら伸びる可能性が高いので、信じてがんばります。

真崎:はい。がんばりましょう!

これからもよろしくお願いします。


取材協力:ライフエンディングテクノロジーズ株式会社
サービス:スマート葬儀


せいかつ編集室 大木春菜

取材・執筆: せいかつ編集室 大木春菜

愛媛県在住の「ファンづくり」に特化した編集者・ライター。ブランディングマガジン「せいかつクリエイト」主宰。