INTERVIEW
まるでコンサルタント!Webサイトの保守管理だけでなく、何でも相談できる心強い存在
認定NPO法人カタリバ - 田上さま
DIGITALJETの仕事は、簡単にお伝えすると「WebサイトやWebサービス、アプリなどを開発すること」ですが、大切にしているのはゴールまでの「過程」にあります。できあがったモノだけでは伝わらないその「過程」をお伝えすべく、お客さまへのインタビュー記事をご紹介します。お客さまのビジョンに寄り添いながら、デザインとプログラミングの力を使って最適なゴールを探していく、それぞれのストーリーをお楽しみいただけるとうれしいです。
10代の子どもたちを取り巻く環境に働きかける
今回ご紹介するお客さまは、認定NPO法人カタリバ。学校・放課後・地域・行政など、10代の子どもたちを取り巻く環境に新しい手法で働きかけ、子どもたちの居場所づくりや教育環境づくりに取り組む非営利組織(NPO法人)です。
現在、カタリバさんから弊社DIGITALJETには、カタリバさんのコーポレートサイトにおけるWordPress保守管理などをご依頼いただいています。カタリバさんが向き合う社会課題や、DIGITALJETとの付き合い方について、経営管理本部システムチームのマネージャーを務める田上真希さんと、弊社プログラマー古里にお話を伺いました。
カタリバさんの事業内容について、改めて教えてください。
田上:カタリバは、どんな環境に生まれ育った子どもたちでも、未来を自ら作り出す意欲と創造性を育める社会を目指して、2001年から活動している教育NPOです。もともとは高校への出張授業プログラムから始まった団体で、その後も社会の変化に応じて様々な教育活動に取り組んでいます。
具体的な取り組みの例を挙げると、2011年の東日本大震災以降は、子どもたちに学びの場と居場所を提供する活動を行っています。ちょうどコロナ禍が始まった2020年頃からは、経済的な事情を抱えているご家庭に向けて、オンライン学習支援の提供も開始しました。直近では、2024年1月の能登半島地震で被害に遭われた地域の子どもたちを支援する、といった取り組みもしています。
日本が抱える様々な社会課題の中で、カタリバさんが子どもたちに関する社会課題の解決に取り組んでおられるのはなぜですか?
田上:カタリバ代表の今村自身の体験がきっかけになっていると聞いています。今村は、地方と都市の分断や各家庭の経済状況など、子どもたちを取り巻く環境によって教育や体験の機会に格差が生じることに課題を感じて、10代の子どもたちへの支援を始めました。それがカタリバの原点です。2001年の団体設立から現在まで23年にわたって、子どもたちへの支援活動を続けています。
カタリバさんはなぜ営利組織ではなく、非営利組織(NPO法人)として活動されているのでしょうか?
田上:子ども本人とご家族の経済力や地域などに関わらず、すべての子どもたちに支援の手を届けようと思うと、営利組織ではどうしても力が及ばないところがあるからです。代表の今村は、活動方法を模索する中でNPO法人について知り、すべての子どもたちに支援の手を届けるために適していると考えたことから、NPO法人として団体を立ち上げました。
子どもたちに支援が届いていると実感することはありますか?
田上:「子どもたちが喜んでくれている」という現場の声を聞くと、私たちの仕事は役立っているんだな、と感じます。私の仕事はバックオフィス業務なので、子どもたちと直接関わることはありませんが、それでも子どもたちからのリアクションに触れられる環境があるので恵まれているなと思います。
また、カタリバは企業・団体やサポーターの方からのご寄付で成り立っているのですが、寄付してくださっている方々からの声も届きます。定期的に活動報告をお送りしていて、それを楽しみにしてくださっている方もおられます。そういった反応を目にすると、私たちがやっていることは意義があることなのだな、と実感しますね。
どんな環境に生まれ育った子どもも取りこぼさない
田上さんがカタリバに入職されたきっかけを教えてください。
田上:出産後まもなくコロナ禍になり、子育てとの両立が難しくなったことで、働き方を見直したのがきっかけです。せっかく転職するなら、自分の力を子どもたちのために活かせるような仕事に就きたいと思い、そこで出会ったのがカタリバでした。「どんな環境に生まれ育った子どもも取りこぼさない」という理念に共感したことが決め手になり、2021年の冬に入職しました。
田上さんから見たカタリバの魅力とは何ですか?
田上:課題解決のためにとにかくスピーディーにアクションを起こし続けており、なおかつ、研究チームを設けて支援活動の効果検証も行っています。このサイクルが社会的意義の可視化やさらなるテーマ推進にも繋がっている点と、多様なバックグラウンドを持つ職員がそれぞれ意欲と創造性を持って仕事を楽しんでいる点が、カタリバの魅力であり強みだと思います。
実際に働いてみて、仕事と子育てとの両立はできていますか?
田上:はい。必要なサポートを必要な場所に届けるには、まず職員がパフォーマンスを発揮できるような状態にあるべきである、という雰囲気があるように感じています。風通しもいいですし、子育てとの両立に関しても非常に助かっています。
その組織風土の根底には、「どんな環境に生まれ育った子どもも取りこぼさない」という理念があるのではないかと感じました。
田上:まさにその通りだと思います。そういった意味でも、カタリバは人を大切にする組織だと感じますね。
DIGITALJETさんはカタリバの安定稼働に欠かせない存在。
カタリバさんからDIGITALJETには、主にコーポレートサイトのWordPress保守管理などをご依頼いただいています。そのきっかけについて教えてください。
田上:システムに明るい職員が退職して自分たちでのWordPressの保守管理が難しくなり、ベンダーさんを探していたところでご縁があった、というふうに聞いています。私は入職後Web関連の業務に就き、2022年の初め頃から古里さんとやり取りをしています。
DIGITALJETにご依頼いただいた結果はいかがですか?
田上:古里さんにいろいろとご尽力いただいたおかげで安心してコーポレートサイトを運用できるようになり、お願いして良かったなと思っています。コーポレートサイトは、カタリバの活動を多くの方に知っていただくためにも、活動のためのご寄付をいただくという点においても、大きな役割を担っています。サイトの安定稼働無しではカタリバという組織は成り立ちませんので、DIGITALJETさんはカタリバに欠かせない存在だと感じています。
コーポレートサイトのWordPress保守管理以外にも、いろいろとご相談されることがあると伺っていますが、例えばどのようなことですか?
田上:コーポレートサイト以外のWebサイトについても、サーバー移設や保守管理のご相談をよくさせていただいています。また、2024年1月の能登半島地震の対応関係で立ち上げたWebサイトが閲覧できなくなった際には、古里さんのご経験と知識を頼って助けていただいきました。あの時は本当にありがとうございました。
古里:いえいえ。あのトラブルは結果的にWordPressとは関係無いところが原因でしたが、少しでも力になれたらと思っているので、ご相談いただけて良かったです。トラブルの原因が分からず相談先に迷うケースは多いと思いますが、僕としては「まずは何でも相談してください」というスタンスを取っています。たとえ僕が担当するWordPressには関係なかったとしても、アドバイスくらいはできるケースも多いですし、何であれ問題を解決することが最優先ですからね。
私だけでなく他の職員も、困ったら「古里さんに聞いてみよう」と。まるでコンサルタントですね。
田上さんからDIGITALJETや古里に対する印象はいかがですか?
田上:先述の通り、DIGITALJETさんは今や、カタリバにとって無くてはならない存在です。古里さんにご相談すると、そもそもの背景や豆知識みたいなところも含めて情報を惜しみなくご提供・ご提案してくださるので、本当に心強いです。
古里:ありがとうございます。やっぱり間違った選択をしてほしくないですから、背景からご説明して分かりやすくお伝えするように、というのはいつも心がけています。カタリバさんは田上さんをはじめ話しやすい方ばかりで、お仕事がやりやすいのでありがたいです。
田上:私たちが抱える問題点を指摘される時にも、「こうした方がいいですよ!」と押し付けるのではなく、お持ちの知識や情報をご提供くださった上で選択を任せてくださるので、相談しやすいです。
また、時には「こっちに相談した方が良いですよ」と交通整理をしてくださる点も、非常に信頼できるところだと感じています。私たちにとっての最適解を一緒に考えてくださっていることが分かるので、安心してご相談できるんです。今では、私だけでなく他の職員も、困ったら「ちょっと古里さんに聞いてみよう」となっています。まるでコンサルタントみたいですね。
WordPress保守管理以外の面でも協働していきたい
カタリバさんの中で、今後取り組んでいきたい業務上の課題はありますか?
田上:Webサイトに関して言えば、コーポレートサイトのリニューアルはそう遠くない未来に着手したいなと思っています。また、カタリバ内には「これをシステム化できたら業務効率が上がるんじゃないか」というものがまだまだたくさんあります。おそらく私の所属する経営管理本部だけでなく、事業部の方でも抱えている課題だと思うので、そういった部分の改善にも取り組んでいきたいですね。
その課題解決に関して、DIGITALJETに期待されていることはありますか?
田上:システム開発の面でも協働させていただけたらありがたいなと思っています。
古里:もちろんです。大掛かりなシステムを作るという話でなくとも、日々の中にある「これ何とかならないかな?」という課題に対しては、ちょっとした解決策のご提案も可能だと思いますので。
田上:ありがとうございます。カタリバではセンシティブな情報を扱うことも多いので、システム化を進めるにあたっても慎重にならざるを得ない部分があるんですよね。守るべきところは守りながら、効率化できることは効率化していく、そのいい具合のバランスを探りながらご相談させていただけたらと思っています。
古里:ぜひぜひ、一緒にやっていきましょう。これからもどうぞよろしくお願いします。
取材協力:認定NPO法人カタリバ
取材・執筆:鶴留彩花
兵庫県加西市在住のライター・カメラマン。「人・モノ・場所のすてきなところを伝える」をモットーに、主にインタビュー記事の取材・執筆・撮影を行うほか、動画制作などにも取り組む。