INTERVIEW
アベンジャーズ型チームで挑む、課題解決の最前線
DIGITALJET(以下、JET)は、ITにまつわるあらゆる課題に対して「最適解」で応えるプロフェッショナル集団です。システムの相談から業務改善、ツール選定、開発ディレクションなどなど、プログラマーやデザイナーとしての枠を超えて寄り添います。
JETには上下関係は無く、給料はメンバー5人で平等。「会社」ではありますが、働き方はフリーランスのように自由です。信頼で繋がった少数精鋭のギルドのような形で、それぞれが自律的に動きながら、お客様にとっての最適解を追い求めています。
今回は、そんなJETの立ち上げの経緯から、独自の働き方とチームワーク、そして今後の展望までを、メンバーへのインタビューを通して紐解いていきます。
▶【始まりと広がり】知り合い同士から広がっていく「ギルド」のようなチーム
──JETの始まりは真崎さんと能野さんの2人からですよね。会社を立ち上げることになったきっかけは?
真崎:僕は前職もエンジニアだったのですが、仕事内容が少しずつ変わっていく中で違和感を覚え始めて、エンジニアとしてもっと価値を出したいと思っていた時期があったんです。そのときに働く場所を変えるつもりで退職しようと思ったところ、前職で懇意にしていた方々から、僕個人に仕事のご相談をいただく機会が増えるようになって。自分で会社を立ち上げるしかない、という状態になったのが始まりです。ちょうど能野も同じような状況だったので、2人で会社を作りました。
能野:経営者になりたいとか、独立したいとか、そういう欲はゼロでした。ただシンプルに「お客様も、僕らもハッピー」っていうことを実現したくて、2人で会社を作ることが最善策だったんですよね。
──栩平さんがJETに入社されたきっかけは何だったのですか?
栩平:僕はもともと1人で受託開発の会社をやっていて、そのときに僕と同じくiOS講師をやっている人が岡山にもう1人いると知って、そこで出会ったのが真崎でした。そこから能野も加わって仲良くなったのをきっかけに、3人とも価値観が合っているし一緒に仕事した方がいいよね、という流れでJETに入ることになりました。
──古里さんはいかがですか?
古里:僕は栩平から声をかけてもらって入った形ですね。転職を決意したのは、自分の抱えている案件が一区切りついたり、前の会社の方針が変わったりして、ちょうどいいタイミングが来たからです。それまでJETメンバーとは一緒にご飯を食べたり、コミュニティで顔を合わせたりしていたので、JETの考え方や空気感は自然と馴染みました。
──吉田さんは一番最近入社されたと伺いました。そのきっかけは?
吉田:栩平に声をかけてもらったのがきっかけです。ちょうど転職するか悩んでいた時期に栩平から「JETに来ない?」と。その前からJETメンバーとはコミュニティで繋がっていたので、みんなの働き方もなんとなく理解していました。
当時、フリーランスに転身するかどうか迷っていたんです。JETは極めてフリーランスに近い働き方をしながらも、ある程度の人数が集まって「ギルド」のようなものを形成して、それぞれが自由に働きながら価値を提供していくという独特な会社の形になっています。これならフリーランスに近いし良さそうだなと思って、「ぜひ一緒に働かせてください」とお願いしました。
▶【働き方】フリーランスに近い自由さ+チームで力を合わせられる信頼関係=JET
──現在、皆さんはどのような働き方をされているのですか?
栩平:僕たちはオフィスを持っていないので全員リモートワークです。勤務時間や曜日も特に決めていませんので、お客様の状況に合わせて柔軟に対応しています。メンバー同士は「Remotty」というデジタルオフィスサービスで状況を共有し合っています。
古里:固定の業務日は無いのですが、案件ごとに定例の打ち合わせが週1回や月1回あることも。基本的にはその時々の状況に応じて、突発的な相談に対応したり、開発を進めていたりします。かなり自由ですね。もちろん「自由」といっても、責任の上に成り立っている自由なので、自分なりにバランスを取りながら働いています。
──かなり柔軟な働き方をされているように思います。フリーランスではなくJETを選んだのはなぜですか?
古里:フリーランスは確かに自由度はあるけれど、お客様の満足度を最大化しようと思ったときに、一人では対応しきれないことも多いと思うんです。JETは働き方としてはフリーランスに近いけれども1つのチームになっていて、メンバーは皆、給料も同じで信頼関係もある。そういった繋がりがしっかりあるからこそ「力を合わせればなんとかなる感」が生まれるんですよね。これは個人ではなかなか得られない安心感だと思います。
栩平:フリーランスの自由さと、会社の安心感をハイブリッドで持っているのがJETです。しかも会社といってもガチガチに規則が固まっていたり、業務内容が固定されていたりするわけではないので、良いとこ取りしている感じですね。
──そもそもJETの立ち上げについては、フリーランスという選択肢も考えられますよね。真崎さんと能野さんは、なぜ会社を作るという形を選んだのですか?
真崎:プログラミングはもちろん得意分野なのと、コミュニケーションやコンサルティング的な対話の部分も、僕の強みだと思っています。ただ、デザインや細やかなケアは不得意だと自覚していました。一方で能野はそういうところが得意だったので、チームでやるほうが良いと判断したんです。もし彼がいなければ、フリーランスになっていたかもしれません。
能野:じつは、JET立ち上げ前から大企業様からの案件相談もいくつかあったんです。僕らを信用してお声掛け頂いているわけですから。それに対する礼儀という意味でも会社という箱をちゃんと作って「お仕事お引き受けできます」という状況を作るべきかな、と。
▶【チームワーク】同じ価値観を持ち、それぞれが自分の責任を全うする“アベンジャーズ”
──JETのメンバーは5人(2025年7月現在)。どんなチームなのですか?
吉田:僕はチームというより「アベンジャーズ」だと思っています。極めてフリーランスに近い働き方をしながらも、ある程度の人数が集まって「ギルド」のようなものを形成して、それぞれが自由に働きながら価値を提供していくという独特なチームになっています。
プロフェッショナルが揃っているけれども、皆で一緒に動くというよりは、それぞれが自分の責任を全うした結果が良いチームワークになっている。それは、共通のマインドセットが根底にあるからこそできていることだと思います。
──JETではどういった方をメンバーとして迎え入れているのでしょうか。
真崎:信頼関係が何より重要です。JETではまったく知らない人を突然入れることはありません。その人がどういう人で、どういうスキルを持っていて、だから一緒に働きたいんだ、という気持ちがメンバー皆で合意できてから声をかけています。その安心感が、仕事のやりやすさにも繋がっているんだと思います。
吉田:そうは言っても、声をかけてもらった当初は「自分があのメンバーの中に入っていいの?」という不安もありましたよ。アベンジャーズみたいに強い人たちが集まっているチームだから(笑)。2年ちょっと働いてみて、今ではJETの一員として何とかやれていると感じています。
──メンバーは積極的に探しに行っているのですか?
真崎:「誰か採用するぞ!」と探しに行くようなことはしていません。ただ、コミュニティ活動などに参加した際に「おや、光るぞ」と感じる人がいたら、できる限りコミュニケーションを取っておくようにしています。
古里:僕は岡山でコミュニティ活動をしているので、それも次のメンバーの種を植える活動になっているかもしれません。ただ、僕たちは採用を目的に人と知り合うことはしません。それも他の会社とは少し違うところかもしれませんね。皆ともJETのために知り合いになったわけではないし、タイミングが合って「一緒に働いてみる?」というスタイルがうまく機能しているのかなと。採用ありきで人と知り合うと、なんとなく上手くいかない気がします。
──皆さん仲が良いというか、いい距離感のチームだなと感じます。その関係性の良さはどこから来るのでしょうか?
栩平:40歳を超えたおじさん同士が「仲が良い」と言うのは恥ずかしいですけどね(笑)。関係性が良いのは、コミュニケーションを密に取るようにしているからかもしれません。「Remotty」のおかげで、物理的には離れていても皆がいつも「すぐそこにいる感」があるので、それも大きいでしょうね。
古里:四半期に一度くらいの頻度でリアルでも集まって、ご飯食べながら熱く議論を交わすこともあります。単に仲が良いというより、価値観のすり合わせを継続的にやっている感じですね。メンバー間で気軽にラフに相談できるし、分からないことはすぐ聞ける環境があるのは、働く側だけでなくお客様にも安心感を与えていると思います。
▶【JETの未来】個人の夢がJETの夢。「楽しく働ける箱」としてもっと自由になっていく
──今後、皆さんが挑戦してみたいお仕事や目標はありますか?
吉田:今のJETは、この働き方でもちゃんと売上が立っていて、無理のない形で少しずつ伸びている状態だと思っています。そのうえで、何より大切にしたいのは、「皆が楽しく働いて、正当な報酬を得られる状態を維持すること」です。そのために自分ができることに取り組んでいきたいです。
栩平:そうですね、今も仕事としては十分に成り立っている中で、「このやり方でも、ちゃんと売上が伸びていく」ということが見えてくると、1つの面白い指標になると思います。この少人数で自由に働いているけれど、それでもちゃんと売り上げが上がっているでしょう、ということを分かりやすく表現できる。そうすれば、この働き方がいいのかも、と思う人も出てくるかもしれませんからね。
僕個人としては、具体的な話で言うとAppleのVision Proに関わる仕事がしたいです。新しいものが好きなんですよね(笑)。だから最近はVision Pro関連の講演をしたり情報発信をしたりしていて、それを仕事でもやれたらいいなと思っています。やっぱり仕事としてやると、学びの深さや経験値が段違いなんですよね。
真崎:今後の目標として明確に決めているわけではありませんが、自分自身だけでなく、チームとして仕事をする中で大切にしてきた考え方や姿勢を、何らかの形で共有していけたらいいな、という思いはあります。プログラミングやITの話題に限らず、日々の積み重ねを通じて、一緒に仕事をするクライアントの方々や、その先のお客さまにも、自然と伝わっていくような形になればいいですね。
古里:僕は新しい技術に取り組める仕事だったり、自分の得意な技術を活かせる場があったりしたら嬉しいですね。ただ、やっぱり人が一番というか、「この人と一緒にやってみたい」「この人となら楽しくサービスを作れそう」と思える方と一緒に仕事をするのが一番です。それが新しい技術や得意な技術の仕事ではなくても、「この人の力になりたい」と思って取り組む仕事なら、それはそれで面白いしやりがいがあるだろうと思います。
能野:現在の僕は、他社での業務のみに注力していますので・・・。数年後、いつになるかは分かりませんが、またJETで仕事したいですよね。JETは僕の原点であり、いつまでも大切な存在なので。
──JETという組織として、今後挑戦してみたいことはありますか?
古里:正直、JETが組織としてやりたいことというのは、あまり無いかもしれません。JETというのはあくまで箱であって、そこに信頼できる人たちが集まってきて、楽しく働いているという形なので。言い換えれば、JETのやりたいこと=メンバーそれぞれがやりたいことなんです。だから栩平が「Vision Proの仕事をやりたい」と言うなら、それはもうJETとしてのやりたいことでもある、という感覚です。
栩平:1つ挙げるなら、もっと自由になれたらいいな、ということでしょうか。たとえば売り上げがもっと増えて潤沢な資金ができたら、北海道と沖縄に拠点を作って好きなときに行って働くことができる、という仕組みも作れるかもしれない。そういう意味では、今は金銭的制約が勝っているかもしれません。一般常識にとらわれるとか、会社という枠組み、言語、時間、環境……僕たち自身も気付いていない制約はまだまだある気がします。それを可能な限り取っ払いたいなと思っています。
──将来的に世代交代をする可能性はあるのでしょうか?
真崎:世代交代について考えたことは何度もありますが、現段階では何十年も先まで長く続けるというよりは「解散!」と言って皆で一斉にやめるような気がしています。お客様にも「もう体が動かないので引退します」と素直に伝えて、潔く辞めるのではないでしょうか。
吉田:僕も近い感覚ですね。でも、もし将来若いメンバーが入ってきて「この屋号を引き継ぎたい」と言ってくれたら、そのときは喜んで託すかもしれません。逆にその人が独立するというなら、気持ちよく送り出したい。大切なのは、JETのメンバーが幸せに働けるかどうかです。それがJETの存在意義であって、会社を存続させること自体が目的ではないと思っています。
栩平:正直、今後JETがどうなっていくのかはまだ分かりません。僕たちはいつか解散してしまうかもしれないですし。でも、僕たちと一緒に働きたいと言ってくれる人は出てくるはずです。自分の意思で決めて自分で楽しく仕事ができる、そういう「楽しく働ける箱」としてJETが存在し続けたらいいな、という気持ちはありますね。
▶まとめ
一人ひとりの得意分野を活かして自律した働き方をしながら、時にはメンバー同士で力を合わせて、お客様の課題解決に挑むJET。その働き方は、お互いを信頼し合い、共通のマインドを持ったプロフェッショナルが揃っているからこそ可能になるものです。
「誰と働くか」を大切にしながら、「どう働くか」を自由に選ぶ。そんなJETメンバーの姿勢は、これからの働き方や組織のあり方を、少しずつ変えていくのかもしれません。
取材・執筆: 鶴留彩花
兵庫県加西市在住のライター・カメラマン。「人・モノ・場所のすてきなところを伝える」をモットーに、主にインタビュー記事の取材・執筆・撮影を行うほか、動画制作などにも取り組む。